俳優の緒方拳さんが亡くなったのをきっかけに、映画『楢山節考』の原作を読み返してみました。
若い頃は映画も観に行ったのですが、リアル過ぎて今観るのはちょっと辛いかな、と。
読んでみて、わたしは何故この原作が好きだったのか思い出しました。貧しい山村の姥捨ての掟に従って楢山に行くおりん婆さんの人柄もありますが、素気ないほどに短いというのも魅力でした。
それと共に、わたしは自分の物の感じ方や大げさに言えば死生観のようなものが、ずっと前から普通の人と違うような気がしていたのですが、なんだか謎が解けたようなスッキリした気分になれました。
同じ本に収録されている短編の『東京のプリンスたち』には、プレスリーに夢中な若者たちが出てきて、その中のひとりが「暴力など振う奴はミュージックのない奴にちがいない。」なんて言っていて、そう言えばわたしには最近ミュージックが足りないことに思い至りました。
早速CDショップに行って、あまりレンタルされてなさそうなレディオヘッドのトム・ヨークの弟でアンディ・ヨークという人のCDを買ってみました。
まだあまり聴いてませんけど、わたしは何かCDを買おうと思いついた瞬間から、このところずっと続いていた胃の辺りの不快感が嘘のように消えてしまっていたのです。
とりあえず、緒方拳さんにありがとう♪^^