震災後二日ほどして、福岡に住む友人Rから携帯に電話があった。わたしの家族や実家の父のことまで心配してくれて、同じく茨城に住んでいる彼女のご両親も無事であったという。
2005年の3月20日、福岡県西方沖地震の後で、R夫妻はマンションの7階から2階へと引っ越している。わたしはその事をずっと後になって知った。地震のあった当時は、彼女に電話するどころか福岡に住んでいることすら思い出さなかったような気がする。度重なる転倒や入院で、義母の認知症が悪化したのも
その頃で、わたしは自分や同居家族のことで精一杯・・・友人にも実家の両親や親類に対しても呆れるほど無関心だったように思う。
それなのに、そんなわたしを誰も咎めることもなく、以前と変わらず気にかけてくれることが、とても有難く申し訳ない。今回の地震では、自宅に居ても一階より二階の物がたくさん落ちた。都内マンションの13階に住んでいる知人宅では、あらゆる家具が倒れたという。今はもう何もかもが他人事ではなく、無関心でなどいられなくなった。
この東日本大震災で日本は、そして日本人は、大きく変わるのだろう。少なくともわたしはもう今までの自分ではないような感じがしている。